SNS型のプロダクトを作っていると、最初は楽しい部分が目に入ります。投稿できる、プロフィールを作れる、画像を載せられる。少しずつ形になると、やはり嬉しいものです。
ただ、開発が進むほど、単純に機能を増やすだけでは済まなくなります。画面、データ、権限、通知、検索、運用ルールが、思った以上に絡み合ってくるからです。
最終段階に近づくほど、何を入れるかよりも、何を今は入れないかを決める場面が増えます。そこにプロダクト開発の難しさがあります。
作れることと、使われることは違う
AIや開発支援ツールのおかげで、以前より早く形を作れるようになりました。小さなチームでも、かなり多くのことを試せます。
しかし、作れることと、実際に使われ続けることは別です。動く画面ができても、ユーザーが迷ったり、投稿しにくかったり、管理が複雑すぎたりすれば、サービスとしては弱くなります。
この違いは、実際に作ってみないと分かりにくいものです。頭の中では簡単に見える機能でも、運用まで考えると急に重くなることがあります。
だから、SNS型プロダクトでは、完成に近づくほど冷静さが必要になります。新しい機能を足したい気持ちを抑えて、まず基本の体験を整えることが大切です。
小さな違和感を見逃さない
開発中に出てくる小さな違和感は、意外と重要です。ボタンの位置が分かりにくい。プロフィール編集が少し面倒。画像の表示が安定しない。
一つひとつは小さく見えますが、ユーザーにとってはその積み重ねがサービスの印象になります。作り手側が慣れてしまうと、見落としやすい部分です。
自分で触り続けていると、だんだん「ここは気持ちよくない」という感覚が出てきます。その感覚を放置しないことが、プロダクトの品質につながります。
AI時代の開発では、スピードが出る分だけ、最後に人間が丁寧に触って確認する時間がより大事になります。
経営者が実装を理解する意味
経営者がすべてのコードを書く必要はありません。ただ、実装の制約を理解しているかどうかで、意思決定の質はかなり変わります。
どの機能が軽く、どの変更がデータ構造に影響するのか。どの不具合がユーザー体験を大きく損なうのか。そこが分かると、優先順位を決めやすくなります。
外注やチーム開発でも、実装感を持っていると会話が具体的になります。ふわっとした要望ではなく、現実的な改善に落とし込みやすくなります。
私自身、プロダクトに触る時間を持つことで、事業判断と技術判断を分けすぎないようにしたいと考えています。
事業化の前に整えること
プロダクトは公開して終わりではありません。公開した後に、問い合わせ、不具合、改善要望、運用負荷が必ず出てきます。
SNS型サービスでは、ユーザーが投稿する内容や画像、アカウント管理、表示ルールなど、運用面の設計も欠かせません。
SNS開発の最終段階で感じているのは、技術、運用、事業の三つを分けずに見る必要があるということです。これはFunMakeやMarsLinkの今後にもつながる、かなり実務的な学びになっています。