経営における知的財産権の重要性と課題

大学時代に知的財産権について研究していました。

また、大学の指導教授のすすめで知的財産権分野で著名なUniversity of Washingtonに留学してたことがあり、そこでの経験を通じて、知的財産権の重要性とその活用方法について深く理解する機会を得ました。

この経験が現在の経営にも大きな影響を与えています。

知的財産権は、現代の経営において極めて重要な財産の一つです。特に、排他的・独占的な権利であることから、自社の競争力を高めるための戦略的な武器として活用できます。そのため、経営者は知的財産権の創出や活用において、契約実務や法的対応を慎重に検討する必要があります。

我が国におけるプロパテント政策の進展

我が国では、米国に比べて約10年遅れてプロパテント政策が採用されるようになりました。この方向性は「知財立国」の宣言のもと、2002年の知的財産基本法の制定によって明確に位置づけられ、以降、種々の政策が推進されています。これにより、日本企業の競争力強化やイノベーション推進を目的とした取り組みが進んでいることは周知の事実です。
とはいえ、知財教育を含め10年前と進展がないような気もしています。

コンテンツ業界における知的財産権の課題

実際にコンテンツ業界で知的財産権に関する理解が十分に浸透しているかというと、残念ながらそうではありません。特に、ステークホルダーや競合他社が知的財産権の重要性を十分に認識していないケースが散見されます。これは、業界全体の成熟度や教育の不足が影響していると考えています。

知的財産権の特性と課題

知的財産権の運用において課題となるのが、権利範囲の不明確性です。特許や著作権、商標権といった知的財産権の具体的な範囲が曖昧な場合、競合他社との摩擦や法的紛争のリスクが高まります。特に、コンテンツ業界では著作権や商標権が日常的に絡むため、この不明確性が企業活動において大きな障害となることがあります。

知的財産権を経営の武器に

大学時代の研究や米国での学びを経て実感したのは、知的財産権が単なる法的権利ではなく、企業の競争力を高め、成長を加速させるための強力な武器であるということです。その活用や保護を適切に行うことで、企業は市場での地位を強化し、長期的な成長を実現することができます。

一方で、不明確な権利範囲や関係者間の理解不足といった課題にも向き合う必要があります。経営者として、知的財産権を「攻め」の武器として活用しつつ、同時に「守り」の対応も怠らないこと。

経営と法務は両輪。これが私の経営哲学です。

詳しくは、私も執筆に参加した「知的財産契約の理論と実務」(日本評論社)をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!