資金調達のリアル:起業当初の不安とエクイティファイナンス

議員を勇退し起業の道を選んだ2019年当時、不安とプレッシャーに押しつぶされそうになる日々が続きました。
当時の話をすることが最近多いので少し、まとめてみようと思います。

ソーシャルメディアマーケティングのビジネスモデルが本当に成功するのか、赤字から脱却して生活を成り立たせることができるのか。そのすべてが未知数で、夜も眠れない毎日でした。

2期目に差し掛かるあたりで、エクイティファイナンスの資金調達を開始しました。

ベンチャーキャピタルを回り続ける中で多くの困難に直面しました。特に一定のメジャーキャピタルからは、「このビジネスモデルは破綻している」と完全否定され、さらに秘密保持契約を締結するわけでもなく詳細な資料の提供を求められることがありました。必要なプロセスだと思い準備を尽くして開示しましたが、後にそのキャピタルが同業他社に出資していた事実を知ったときの悔しさと怒りは忘れられません。

「自分の努力が利用されただけだったのか」と思うと、VCのモラルを信じた自分が甘かったと心が折れそうになりました。

毎晩眠れなかったのは、そうした出来事の積み重ねだけでなく、未来への不安が大きな原因でした。「自分の選択は間違っていないだろうか」「従業員や関係者をどう守っていくのか」「このままでは全て失ってしまうのではないか」と、自問自答を繰り返し、心の平穏を失っていました。

そんな私を支えてくれたのは、綺麗事抜きで仲間の存在でした。

どんなに苦しい時でも、仲間がそばにいてくれたからこそ、乗り越えることができました。事業に共感して手を差し伸べてくれた方々、具体的なアドバイスをくれた方、一緒に東京までついてきてプレゼンを手伝ってくれた方、多くのベンチャーキャピタルを紹介してくれた方。それぞれの支えが私の原動力となりました。

そして、相性の良いベンチャーキャピタルに巡り合い、第三者割当増資を引受けてもらった時、初めて少しだけ心が軽くなったのを覚えています。それは、自分のビジネスが初めて価値を認められた瞬間でもありました。

その後、会社は徐々に成長し、3期目には売上が億を超えるようになりました。振り返ると、失敗や拒絶に直面したあの日々が、今の私と会社を支える基盤になっています。

そして現在、私たちの会社は7期目を迎えることができました。夜も眠れず、自分の選択を疑い続けたあの日々を思い返すと、支えてくれた仲間や過去のご縁のおかげで感謝の気持ちでいっぱいです。

起業の道は平坦ではなく、時に不条理な現実に直面することもあります。しかし、それをどう受け止め、次にどう行動するかが重要だと思います。

当時の悔しさや不安を忘れず、これからも挑戦を続けていきます。苦しい時期を乗り越えたからこそ見える景色がある。その事実をこれからの原動力にしていきたいと思います。

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