鳥貴族CEOの大倉社長の講演会

先日、鳥貴族(エターナルホスピタリティグループ)のCEOである大倉忠司氏の講演に参加した。お誘いいただいたのは、旧知の中西元専務。講演では、創業期の壮絶な苦労から始まり、現在の事業戦略、さらには今後の海外展開構想に至るまで、非常に幅広く、かつ本質的な内容が語られた。

特に印象に残ったのは、創業当初の“リアルな数字”だ。売上はわずか数万円の日もあったという。にもかかわらず、人件費と仕入れで赤字を垂れ流す日々。資金調達にも苦労し、親族や知人を頼って資金をかき集めたというエピソードには、成功の裏にある生々しい現実が垣間見えた。こうした“泥臭いフェーズ”をいかに乗り越えるかが、起業家としての真価を問われる局面だろう。

また、大倉氏がキャリアの第一歩をホテル業界で踏み出したという話も興味深かった。接客の厳しさ、現場のしつけ、ホスピタリティの基礎はすべてその時に培われたという。実は私も学生時代、京都・五条堀川にある東急ホテルでアルバイトをしており、同じく“ホテル現場での修行”を通じて、接客業の厳しさと奥深さを体感していた。そうした背景もあり、大倉氏の話には強い共感と親近感を覚えた。

グローバル展開に関する考察も示唆に富んでいた。多くの日本企業が海外市場で苦戦するのは、単なる「ローカライズ」ではなく、現地の文化や消費者インサイトへの深い理解が欠如しているからだ。大倉氏は「鳥貴族を“焼き鳥ブランド”ではなく、“日本型ホスピタリティ”として輸出する」と明言しており、これは極めて本質的なポジショニングである。物理的な“串”ではなく、精神的な“おもてなし”を届けるという発想は、グローバル戦略における差別化の鍵となる。

私自身、大倉氏とは松井一郎・元大阪府知事のYouTubeチャンネルでご一緒したことがご縁となり、それ以来、鳥貴族を愛用している。焼き鳥が好きだから、というだけではない。そこに込められた「理念と実行の一体化」に共感しているからだ。

この講演を通じて改めて感じたのは、経営とは“戦略”だけでも“情熱”だけでも成り立たないということ。現場を起点に、データと感性を統合し、未来を描く。

まさに今、我々が求められている視座ではないだろうか。

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